指揮官の采配(さいはい)がさえた。1トップに本田を置き、両サイドに松井と大久保。10日のジンバブエ戦で試しただけの新システムが見事にはまった。
欲しかった先制点も松井のクロスを本田が決めたもの。まんまと主導権を握った。
後半、カメルーンが猛攻を仕掛けたが、選手は慌てなかった。
「大きい選手を入れてロングボールをけってくるのはわかっていた」と長谷部。事前の分析からカメルーンの攻撃パターンを読み切り、ハーフタイムに指示が出ていたため、動揺することはなかった。
選手交代も的確だった。岡崎と矢野はともに守備でも貢献できる選手。相手の両サイドバックの攻め上がりを抑え、パワープレーの威力を半減させた。特に後半37分の矢野の投入は「このまま逃げ切るぞ」という明確なメッセージに。選手のやるべきことが整理され、迷いなく試合を終えることに成功した。
岡田監督は「相手の良さを消すことで勝ったとは思っていない。チームを成長させたいという指導者の気持ちは失っていない。ある程度はやったが、それだけでは勝てなかったと思う」と話す。だが、ここ一番で“戦略家”としての本領を発揮したのは確かだ。
この日の勝利で選手の指揮官に対する信頼はより高まるだろう。そのことが、何より大きい。(森本利優)
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